食費について
食事にかけるお金は多少高くついても良質のものをお選びください。
安価だけれども質の悪いものばかり選んでしまうと、逆に風邪をひきやすい体質になったり、しいては生活習慣病など病気を併発してしまい、逆に医療費が高くついてしまいます。
削るべき食費は、白砂糖、菓子類、清涼飲料類、牛乳、マーガリンなど、人間の体にあまり良い影響を与えない食品にしてください。
非常に興味深いデータが厚生労働省「国民健康・栄養調査」で明らかになっています。
また、アカデミック・ライブラリー 肥満の経済学(古群鞆子著)より、とてもショッキングな見解があります。(下記資料参考)
参考資料
厚生労働省 国民健康 栄養調査 2011年 より
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb-att/2r98520000021c30.pdf
世帯の年間収入を3区分(200万円未満、200万円以上600万円未満、600万円以上)に分
け、年齢・世帯員数を調整した上で、世帯の年間収入が600万円以上の世帯員を基準として、
200万円未満、 200万円以上600万円未満の世帯員の食品摂取量を比較した結果は以下の
とおりである。
1.野菜類の摂取量は、男性では200万円未満と200万円以上600万円未満の世帯で少な
かった。
2.果物類の摂取量は、男女とも200万円未満の世帯で少なかった。
3.魚介類の摂取量は、男女とも差がみられなかった。
4.肉類の摂取量は、男女とも200万円未満の世帯で少なかった。
厚生労働省 国民健康 栄養調査 2010年 より
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb-att/2r98520000021c30.pdf
世帯の所得を3区分(200万円未満、200万円以上〜600万円未満、600万円以上)に
分け、年齢、世帯員数を調整したうえで、世帯の所得が600万円以上の世帯員を基準
として、200万円未満、200万円以上〜600万円未満の世帯員の生活習慣等(体型、食
生活、運動、たばこ、飲酒、睡眠)の状況を比較した結果は以下のとおり。
1.肥満者の割合は、男性では差がみられず、女性では200万円未満と200〜600万
円未満の世帯で高かった。
2.習慣的な朝食欠食者の割合は、男性では200万円未満と200〜600万円未満の世
帯で高く、女性では200万円未満の世帯で高かった。
3.野菜摂取量は、男女とも200万円未満と200〜600万円未満の世帯で少なかった。
4.運動習慣のない者の割合は、男性では200万円未満の世帯で高く、女性では200
万円未満と200〜600万円未満の世帯で高かった。
5.現在習慣的に喫煙している者の割合は、男女とも、200万円未満と200〜600万円
未満の世帯で高かった。
6.飲酒習慣者の割合は、男性では200万円未満の世帯で低く、女性では差がみられ
なかった。
7.睡眠の質が悪い者の割合は、男性では差がみられず、女性では200〜600万円未満の世帯で高かった。
アカデミック・ライブラリー 肥満の経済学
(古群鞆子著)より
こちらの著書では、
所得が低い → 食費を節約する → 安い加工食品に頼る → 高カロリーを摂取して太る
という見解がなされています。
「学歴が低いほど、肥満になりやすい」
「所得が低いほど、肥満になりやすい」
これらの見解は上記の厚生労働省 国民健康・栄養調査の結果と一致しています。
古郡教授によると、貧しい人たちは、味はそこそこで安価に入手できる加工食品を食べる傾向が強いといいます。加工食品は栄養バランスが犠牲にされ、エネルギー密度(カロリー)ばかりが高い。これが肥満を生んでいる原因です。
また低学歴が低収入に結びついている面があるため、低学歴層にも肥満が多いといいます。
しかし、それだけではなく別のメカニズムもあります。
それは、
「肥満者は、就職などで差別されるから」
という現実です。
肥満の人の雇用確率を、そうでない人と比べると、アメリカの場合は女性で21%も低くなるそうです。
つまり、
肥満である → 就職で差別され、就業できない → 貧困に陥る → さらに肥満になる。
低学歴や貧困が肥満を生み、肥満によって低学歴や貧困になるという仕組みなのです。